楽園の名で知られ多くの観光客を魅了して止まないハワイですが、実は血塗られた悲しい歴史があるのをご存知でしょうか。
1959年にアメリカ合衆国に併合されたハワイ州では、その地を守り抜いたある一人の王女が語り継がれています。
それが、プリンセス・カイウラニです。
そう、「プリンセス・カイウラニ」と言えば、ワイキキ内に同名の人気ホテルがありますよね。
実は現在ホテルの立っている場所が、元々ハワイ王室の領地で、まさに王女カイウラニが幼少時代を過ごした場所と言われています。
今回は、そんなアメリカ合衆国・ハワイ州が誕生するまでの激動の歴史を彼女の人生と共に描いた洋画『プリンセス・カイウラニ』を鑑賞しました。
ハワイを訪れる方には、ぜひおすすめしたい作品です。
プリンセス・カイウラニは、ハワイ王国のカラカウア国王の姪として、この世に生まれました。
14歳のときに貴族の教養やしきたりを学ぶためイギリスへ単身留学しますが、当時は非白人に対する偏見が少なくなくありません。「王女」という肩書きをもってしても、人種差別を受ける毎日でした。決して一般的な王族からイメージするような優雅な生活ではなかったことがわかります。
“Do you read and write?”(君は読み書きができるのかね?)
そんな惨めな生活の中でも、イギリス人男性との素敵な出会いもありました。時を重ねるごとに、互いの心も惹かれあっていきます。
しかし平穏もつかの間、ハワイでは先住民の虐殺やクーデターといった闘乱が勃発。王朝がついに滅亡の危機に晒されるようになりました。これにより、カイウラニは最愛の家族も失います。イギリスに渡ってわずか4年後、カイウラニが20歳になる前のことでした。
紛争が激化し、間もなくハワイ王朝継続に後がないと悟ったカイウラニは、このままイギリスに残るか祖国に帰るかの選択に背ばまれます。
そして苦渋の末に選んだのは、戦場と化した祖国への帰還でした。
愛する恋人や平穏な生活を捨てたのです。王朝を選んだ彼女の忠誠心あってこそ、今でも多くの人に語り継がれているカイウラニですが、愛に背を向けて自ら処刑台へと向かっていく若い彼女の心はきっと引き裂かれる思いだったでしょう。
ハワイ王朝最後の王女として自らの幸せよりも祖国の民を選んだ若き王女の強さには頭が上がりません。
ハワイを訪れる際は、ハワイ王朝の領地跡でもあるホテル「シェラトン・プリンセス・カイウラニ」を訪れてみてください。
ホテル1階のロビー付近にはカイウラニの写真がいくつも飾られていますので、宿泊客でなくても、美術館のような感覚で彼女の人物像を垣間見ることができますよ。
またカピオラニ公園、ホノルル動物園へも徒歩圏内ですので、宿泊先としてもおすすめです。
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シェラトン プリンセス カイウラニ
※画像はYoutubeオフィシャルトレイラーより抜粋