バイクシェアリング(シェアリングサイクル)というサービスがあります。
ここでの「バイク」はいわゆるオートバイではなく自転車のことです。中国では2016年に登場した「Mobike(モバイク:摩拝単車)」が市場を席巻し、中国国内では既に1億人以上のユーザーを獲得しています。
この「Mobike」最大の特徴が、私有地以外であればどこに乗り捨てても問題ない、という点です。この利便性の高さが同サービスの爆発的普及に拍車をかけ、また同時に、点字ブロックや消火栓への通をふさぐなど、いくつもの問題を生み出しました。
ハワイにバイクシェアリング「biki」が登場!
ハワイでも今年(2017年)の6月よりバイクシェアリングサービスがスタートしました。
サービス名称は「biki」。ハワイ語で“速い”を意味する「wiki」と「bike」を組み合わせた造語とのことです。
「Mobike」と違ってどこへでも乗り捨てられるわけではありません。「bike」ではバイクストップと呼ばれる駐輪場で貸し借りを行います。
バイクスポットは6月時点でホノルル内に100箇所ほど設置されており、貸し出しと返却が同じスポットである必要はありません。
料金体系は従量課金制です。自転車に乗っている時間の長さに応じて料金が発生し、5時間で20ドルが一般的な料金プランです。
ハワイでの「biki」の問題点
「Mobike」と違って乗り捨てができない「biki」ですが、ハワイならではの問題も発生しています。
ワイキキでバイクシェアリングを利用する方は、現地の方に限りません。多くの観光客がこの便利なサービスを利用しています。
様々な国から多くの観光客が集まっているハワイ。自転車の交通ルールは国や地域によってまちまちです。また自転車の操作感覚はこれまでの知識や経験に依存するところも大いにあるでしょう。自国の当たり前は、ハワイの当たり前ではないのです。
そのため、バイクシェアリングを利用している方が知らず知らずのうちに危険な走行をしているというケースが発生しています。
歩行者にとって危険な走路を通行したり、車から見ると危ない走行をしていたり。自転車専用のレーンが設けられている場所でも、誤って一方通行のレーンを逆走してしまうケースも。
またアラワイ運河沿いの歩道など、自転車やスケートボードの走行自体が禁止されている場所もしばしば。
同時に、ワイキキは一方通行が多く、慣れない方にとっては難しい道路となっています。
このような背景もあり、自転車のルールやマナーに注目が集まっているのです。
日本でバイクシェアリングは普及するのか
冒頭に紹介した「Mobike」は、実は日本でも既にサービスが開始されています。
同サービスは、今年の8月に札幌でサービスを開始しました。やはりというべきか、日本の道路事情を踏まえ指定の駐車スペースに止める必要があり、乗り捨ては不可です。
ドラッグストアのサッポロドラッグストアやコンビニチェーンのセイコーマートなどと提携を結び、駐車スペースの設置に努めていますが、乗り捨ての利便性には到底及びません。
国ごとにルールやマナーが異なる自転車事情。日本でも普及が進めば、ハワイのように国ならではの問題が浮かび上がることでしょう。
利便性と既存のルールが共存し、便利で安全なサービスに落ち着くことを願うばかりです。
参考記事:
https://moneyforward.com/media/career/34903/
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1076999.html