海外旅行でよく耳にする“チップ”という言葉。ハワイでもチップの文化は同様に存在します。
今回は、ハワイで迷うことなくチップを渡すために、知っておくべきポイントを解説します。
シーンに合わせて金額の相場を紹介していますので、ぜひ旅行の支払い時にお役立てください。
1. チップとは:そもそもチップは感謝の証
具体的な金額やシーンを見ていく前に、そもそも何故チップが存在するのかについて考えてみましょう。
せっかく支払うなら、意図や意味を理解して支払うほうが気持ちがいいですよね!
お店ではなくスタッフへの感謝の気持ち
日本人には馴染みのない文化であるチップ。なんとなく“お店”に支払うもの、というイメージを持ってはいませんか?
チップは、サービスを提供してくれた相手に対しての感謝を示すものです。場所や状況によって価格も変動しますが、ある程度の相場は決まっているのも特徴です。
そもそもサービス業に従事する方々の賃金は少し低く設定されています。そのため、チップは重要な収入源の一部となっているのです。
(※チップも正式な収入源として、課税の申告義務があるほどです!)
よっぽどのことがない限りは渡すのが基本
前提として、チップは支払うものと認識しておいて間違いありません。
受けたサービスに対してどうしても納得のいかないクレームがある場合は支払わないという意思表示もありますが、基本的には必ず支払うのがマナーです。
例えばレストランで接客してくれたスタッフの対応がよほど悪かったとしても、チップは渡すようにしましょう。ただ、その際にどこが納得いかなかったかをきちんと伝えることはOKです。
2. チップの基本的な渡し方
それでは、ここからはチップの基本的な渡し方を紹介していきます。
スマートにチップを支払うことで、渡す側も渡される側も気持ちよく接客を進めることができます。ぜひ覚えておきましょう。
「笑顔」と「お礼」が大切
チップを手渡す際は「笑顔」と「お礼(Thank you)」をセットとして渡せるとお互い気持ちの良いやり取りになるでしょう。
さらに紙幣はあらかじめ軽く折りたたんでおき、目立たないように渡せればより慣れたように見えます。
とはいえ、観光客としてそこまで求められることはないと思うので、とにかく感謝の気持ちが伝わることを優先して考えましょう。
チップの基本は紙幣
チップは小銭ではなくお札で支払うのがマナーであり、スマートであるとされています。
たとえ小銭が大量にあったとしても、紙幣で支払うようにしましょう。小銭で支払うことが失礼にあたる場合もあるので、注意が必要です。
1ドル札を多めに用意しておこう
チップを渡す機会はたびたびあります。そして、多くの場合1ドル札を使用することになります。
お財布には多めに1ドル札を準備し、できる限り切らさないようにしておくことが望ましいでしょう。
また、もしチップを計算して1ドル以下の端数が出てしまった場合には、切り捨てるのか切り上げるのか判断して金額を決めることが一般的です。
そのときのサービスへの満足度合いで決めることも、チップ本来の意図としては考えられる選択肢です。
3. 頻発シーン別、チップの相場
それでは、実際にチップを支払うシーン別に金額の相場や渡し方を見ていきましょう。
あくまでも一例ですので、接客内容や店舗のグレードに合わせて調整することも大切です。
▼レストラン
レストランでは、合計金額の15%〜20%がチップの相場です。
伝票にすでにサービス料が加算されている場合は問題ありませんが、記載のない場合はチップ込みで支払いをするか、テーブルにチップを置いて帰るのがスマートです。
また、いわゆる“高級レストラン”になるとその分チップの相場も20%〜25%に増えるので、注意が必要です。
▼ホテル
ホテルは様々なケースでチップが必要になります。
まず、玄関から受付までの対応をしてくれる「ドアマン」には1〜2ドルを渡します。その後、部屋まで荷物を運んでくれる「ポーター」にも同様に1〜2ドルをお渡ししましょう。
外出中に部屋の掃除をしてくれる「ルームキーパー」には1〜2ドルを。これは直接手渡しすることが難しいので、枕元やベッドサイドテーブルに置いておくようにしましょう。
レンタカーなどを利用する方は、ホテルの入口から代理で駐車場まで車を駐めてもらえる「バレーパーキング」というサービスもあります。これは預ける際に預り証をもらい、引き取る時にチップを支払うのが一般的です。ここでのチップは2〜5ドルが相場です。
ホテルに関しても、グレードに合わせてチップの相場が高くなることもあります。格式高いホテルに宿泊する予定の方は、あらかじめ調べていくと、当日慌てることなく対応できます。
▼タクシー
タクシーの場合はメーターに対して10〜15%がチップの相場といわれています。
また、乗り降りの際に荷物の積み込みを手伝ってくれることもあるでしょう。その際は運賃の支払いとは別に、1〜2ドルのチップを手渡せるようにしましょう。
▼その他サービス
オプショナルツアーのアクティビティやスパ、マッサージやネイルサロンなど、その他もろもろのサービス業に関しては、だいたい15〜20%のチップを想定しておきましょう。
レストランと同様ですが、提示されたお会計(オプショナルツアーの場合は、予約時の金額)に既にチップが含まれている場合もあります。支払いの際は注意して伝票を確認しましょう。
4. チップの計算方法
1ドル2ドルを手渡しする場合はチップの計算が必要ありませんが、タクシーなど、金額に対してN%のチップを支払う場合は計算が必要になります。
スマートフォンの電卓機能などを利用して、スマートに計算ができるように備えておきましょう。
難しい計算ではありませんが、念のため簡単に計算式も記載しておきます。
チップ込みの合計額を知る場合
チップ込みの合計金額を計算したい場合は、以下の計算式を用います。
(※チップの%をNとする)
合計金額 × ( 100 + N )% = チップ込みの合計金額
例えばチップが15%の場合は合計金額に115%(1.15)を掛けることで計算ができます。20%の場合は120%(1.2)を掛けます。
チップのみの金額を知る場合
チップのみの金額を計算したい場合は、シンプルにチップの%を掛ければ大丈夫です。
(※チップの%をNとする)
合計金額 × N% = チップの金額
5. チップ支払い時の注意
続いては、チップを支払う際の注意点について解説していきます。
ここまでの説明で紹介していることもありますが、復習の意味を込めて今一度確認していきましょう。
最低でも1ドルは払うようにしよう
チップは小銭で払うのがマナー違反とされています。そのため、最低でも1ドル札のチップを渡せるようにしましょう。
例えばタクシーの初乗り(約3ドル)で降りたとすると、相場の15%で考えればチップは0.45ドルとなります。しかし、1ドル未満の額であれば切り上げて1ドルとし、合計4ドル手渡すのが一般的です。
会計にチップが含まれているかを確認する
これまでも触れてきましたが、レストランなどで伝票を渡される場合は、会計にチップが含まれているかをしっかりと確認しましょう。
ハワイのレストランでは観光客に向けて、あらかじめチップが含まれた金額を提示する場合があります。その際はチップを会計に加算したり、テーブルにおいておく必要はありません。
また、レストランによっては伝票にチップの相場やそれに対する金額を明記している場合もあるので、参考に自分で選択する場合もあります。
いくつかのパターン(チップ込み、チップ抜き、チップ提示型)を知っておけば、ある程度英語が堪能でなくとも理解することができると思うので、ここはぜひ覚えておきましょう。
ファーストフード店は基本的にチップが不要
ファーストフード店のように、自分で料理を取りに行き、食器やトレーも自分で片付けるスタイルのお店ではチップを支払う必要がないとされています。
ドライブスルーができるお店やスターバックスコーヒーなど、スタッフが商品を運ばないセルフサービス形式のお店も同様です。
クレジットカード払い時の注意点
クレジットカードを支払う際、日本では金額を確認してサインを書くだけですが、ハワイではチップの計算が必要となります。
伝票にはチップを自分で書き込む欄があるので、チップの金額(合計額)を記入し、最後にサインを書くことになります。
空欄がいくつかあるので、戸惑わないようにしましょう。
もちろん、チップがあらかじめ含まれている店舗ではサインのみでOKです。
ちなみに、チップを記載する空欄は「Tip」や「GRATUITY」として記載されていますので、覚えておいて損はないでしょう。
多めに払うのも良いが、多すぎは禁物
チップは少なすぎるのもマナー違反ですが、多すぎるのも考えものです。
素晴らしいサービスに対して感謝の意味を込めてチップの額を増やすのは素晴らしいことですが、過剰に渡せばよいというわけではないようです。
あくまでも適正の相場内で、感謝を伝えるようにしましょう。
【もっと知りたい】ハワイでのお金の話
ここまでで、チップの基本的な知識をご紹介しました。
それではここで、チップに必要な外貨の両替についてもご紹介します。
ハワイでは、日本円を外貨に両替しないことには、チップを支払うこともできないためです。
そもそも、外貨の両替は出発前と到着後のどちらで行なうのが良いのでしょうか。
現在コロナの影響でハワイでは日本人観光客が激減しており、以前利用できていたハワイでの両替所が無くなってしまっています。
※日本人やアジア人に人気の免税店Tギャラリアby DFS現在は閉店しています。
ハワイ到着後に両替をできる場所は、以下の4ヶ所です。
- ホノルル空港の外貨両替カウンター
- 旧Tギャラリア by DFS前の民間両替所(数店舗あり)
- ホテルフロント
- 銀行
この中でも、レートが比較的安定している空港やTギャラリア周辺の両替所がおすすめです。※現在コロナの影響により民間両替店が減少しています。
ですが、出発前にあらかじめ外貨の両替を日本国内で済ませておきましょう。
このほかにも、ハワイに行く前には通貨の種類や現金を持ち歩く際のポイントなど、知っておくと便利な情報が多数あります。
以下の記事では、ハワイ旅行に便利な外貨・通貨の話を丸ごとお届けしています。
ご興味のある方は、ぜひ合わせてご覧ください。
6. まとめ
チップについて詳しく解説してきました。
相場や金額ばかり気にしてしまうと、本来の目的である「感謝の気持ち」が伝わりづらくなってしまうこともあります。
チップの支払いはサービスに対するお礼を言うチャンスでもあります。気持ちよくサービスを受け、旅行を一層楽しむためにも、ある程度のチップ事情は学んでおくようにしましょう!