私たちが日常でついやってしまいがちな、いわゆる「歩きスマホ」。
危ないとはわかっていても、日頃のクセでついついスマホを触ってしまう……という方も多いのではないでしょうか?
アメリカ・ハワイ州ホノルル市では、2017年10月25日より「歩きスマホ」を禁止する条約が施行されました。
今回は、この度施行された条約の詳細についてご紹介します。
「歩きスマホ」を禁止する条約が10月25日よりホノルルで施行
ホノルル市議会は今年の7月25日、「Distracted Walking Law(注意散漫歩行条例)」を議会で可決しました。
条例の内容は以下の通りです。
1. 歩行者は、携帯電子機器を見ながら道路(高速道路を含む)を横断してはならない。
(ただし、緊急時の連絡やオーディオ機器は含まない)
2. この条例に違反した場合、以下の罰金が科せられる。
- 初犯の場合は、$15.00以上$35.00以下の罰金
- (初犯から1年以内)2度目の場合は、$35.00以上$75.00以内の罰金
- (初犯から1年以内)3度目の場合は、$75.00以上$99.00以内の罰金
スマートフォンやデジタルカメラなどの小型電子機器による不慮の事故を防ぐ目的で制定され、市内では10月25日より施行されています。
今回の条例施行にあたり、条約の調印式でホノルル市長であるコールドウェル氏は以下のように述べています。
高齢者を中心に、街にいる多くの人が横断中に自動車にはねられている。時には、良識が行き渡ることで可決する必要のない条例もあってほしいと願っている。しかし私たちには、良識がかけている時もある
(出典:CNN)
アメリカの全国道路安全協会発表の資料によると、2016年に道路上で発生した事故による死亡者は5,997人に上り、過去最悪の結果となりました。(前年度比11%増)
原因のひとつには「歩きスマホ」が含まれるとの見解が多く、今回の条例制定へと結びついたとみられます。
罰金は回数によって変動、最大12,000円ほどの見通し
条約に違反した場合の罰金は、回数によって金額が異なります。
初犯の場合は$15.00(約1,800円)、最高額では$99.00(約12,000円)の罰金が科せられます。
金額の詳細は以下の通りです。
- 初めての場合、$15.00〜$35.00
- 2回目(初犯から1年以内)の場合、$35.00〜$75.00
- 3回目以降(初犯から1年以内)の場合、$75.00〜$99.00
ただし、警察や消防などへの緊急通報は対象外となります。歩きながらの通話も画面を見なければ問題ありません。
歩きスマホで最大12,000円の罰金というのは、なかなか重い刑罰のように感じられますね。
見るべきものはスマホ?それとも景色?
ロイター通信によると、日本でも危険性が懸念されてきた「歩きスマホ」は現在、日本のみならず世界中で大きな問題となっています。
また、Yahoo!ニュースに記載の情報によれば、アメリカでは2016年には歩行中の事故で死亡した人が5,987人で、1990年以来最高の人数でした。そして、その原因の1つが「歩きスマホ」だと言われています。
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スマートフォンは非常に便利なデバイスです。今や、私たちの生活になくてはならないアイテムといえるでしょう。
観光に訪れた際はその利便性を改めて認識できると思います。地図で現在位置を確認することができますし、知らない言語の翻訳も指先ひとつです。
一昔前では考えられないような便利さを、ポケットに収めることができるようになったのです。
しかしその反面、私たちの視野はずっと狭くなってしまいました。歩きながら小さな画面を見つめていると、世界はどこまでも四角く収まってしまいます。
ハワイを訪れた時くらいはスマートフォンの使用を必要最低限に留めるのが良いかもしれませんね。
ハワイの海で、山で、街で。
スマートフォンから顔を上げたら、何が見えますか?
参照記事:
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/31/honolulu_n_17645892.html
https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20171028-00077469/
https://www.reuters.com/article/us-hawaii-texting-ban/honolulu-targets-smartphone-zombies-with-crosswalk-ban-idUSKBN1AD2LS