日々の生活を慌ただしく営んでいると、ふと「海が見たい」という感情になることはありませんか? デートや友人とのお出かけなどでも、私たちは「海に行きたい」という会話をすることもありますよね。
関東に住んでいる方であれば、お台場やみなとみらいといった場所はもはや観光地として定番中の定番です。そのほかにも、長期休みができると沖縄を筆頭に海を訪れる人をよく目にします。
いったい、この「海を見たい」という感情はなぜ引き起こされるのでしょうか? 今回は、心理学的な観点から海が見たくなる理由を調査します。
なぜ海って見たくなるのだろう?実際に聞いてみた
「海が見たい」という感情について、心理学者の伊集院清一先生にお話を伺ってきました。私たちが抱く「海が見たい」のきっかけは、意外なところに隠されているかもしれません。
1.海は潜在的に身近なもの
まず、海は特別な場所……そんな風に思ってはいませんか?
実は、私たちにとって海は身近な存在として潜在的に記憶されています。いったい、どういうことなのでしょうか?
読み解くヒントは“日本の地形”です。
地形的な特徴のひとつに、日本は「島国である」という点が挙げられます。
都心に住んでいる場合はなかなか触れ合うことはありませんが、日本の土地は周りを海で囲われた地形であるため、もともと身近な場所に海がありました。昔から日本は海と親しみ海と触れ合うという背景を持っていたため、ふとした時に「海に行きたい」という感情が芽生えると考えられています。
また、地球は78%を海が占めているという個性的な天体でもあります。
そのため、日本人に限られることではなく人間には海が身近な存在として認識されているのです。
2.色と音がリラックス効果をもたらす
海には、リラックスに必要な要素も詰まっています。
それはズバリ「色と音」。
まず色についてみていきましょう。色は人の心理に大きな影響をもたらしています。
たとえば、赤色は交感神経に刺激を与えるとされているため、脈拍や血圧が上がるというような興奮を促す効果があります。黄色であれば、脳の活性化につながるとされているため集中力アップの効果が期待されます。
それでは、青色はどうでしょうか。
青色は心を鎮(しず)め落ち着かせる効果があります。冷静さをもたらして心身の興奮を収めるので、精神的にも安定した状態を生み出しやすくなるのです。
また、海に限らず自然の環境から生まれる音、いわゆる「自然音」も心身のリラックス効果を高めるとされています。自然音は不規則なリズムを刻み続けており、そのリズムを感じることでリラックスすることができます。自然の空間と一体になることでストレスから解放されるのですね。
とくに、波の音は母親の胎内で聞いていた音とよく似ているため、ほかの自然音と比べてもより安心感を抱くことができるとされているようです。
3.海は日常からの解放を促す
仕事でうまくいかない、失恋をしてしまった……など、悲しい経験をしたときに、海でたそがれたり海に向かって叫ぶといったドラマのワンシーンを目にした経験のある方も多いことでしょう。
これらのシチュエーションに違和感を持つことなく私たちが暮らしているのも、海の存在が私たちにとって身近である証です。
そして、海に行くという行動は「胎内回帰(たいないかいき)」という願望の表れ。
胎内回帰とは、母親の胎内へ戻りたいという感情のことを指します。羊水の中で過ごした記憶を私たちは無意識に覚えていて、温かく包まれているという“リラックス”の状態を知らず知らずのうちに求めているのです。
また、回帰の感情は気持ちをリセットする効果も持ち合わせています。
そのため「今の状態をリセットしたい」と感じた際には、海に行くことで原点回帰をして気持ちのリセットをしているといえるでしょう。
4.太陽光の力で落ち込んだ気持ちを追い払う
「日光浴で落ち込んだ気持ちを吹き飛ばす」という話を耳にした経験のある方はいませんか?
太陽の光は私たちに強いエネルギーをもたらしてくれます。
たとえば、セロトニンの分泌を活性化するという効果。セロトニンは俗に“しあわせホルモン”と呼ばれることもあるほど心の働きに密接に関係している物質です。自律神経を整える働きを持っていたり腸内環境を改善する効果も持ち合わせています。
また、太陽光にはストレスを軽減させるホルモンである“コルチゾール”の分泌を適切に管理する効果もあるのだそう。落ち込んでしまったり怒ってしまったりというような、ストレスそのものの解消を促します。
海だけでなく、すぐそばにある太陽の光も心にとっては大切な栄養です。
リフレッシュならハワイがおすすめな3つの理由
海が見たくなる理由をここまでお届けしましたが、海といえば「ハワイ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 日本にも海はたくさんあるのに私たちはハワイへの憧れを抱き、旅行に行きます。いったいハワイにしかない魅力はどんな点にあるのでしょうか。
これより先は、アロハスマイル編集部が厳選したハワイの魅力をお届けします。
1.自然を感じることができる場所がたくさんある
ハワイという観光地の大きな魅力は、さまざまな魅力を同時に楽しむことができるという点にあります。そのひとつが“自然が多い”という点。
先ほどからもご紹介しているようにハワイにはたくさんの海がありますが、自然はそれだけに留まりません。
たとえば「ダイヤモンドヘッド」はとても有名なハワイ屈指の大自然ですよね。そのほかにも「アラモアナ・ビーチ・パーク」や「モアナルア・ガーデン」などは観光客はもちろん現地の方も足繁く通う広い公園です。
ビーチのイメージが定着しがちなハワイですが、山や渓谷もあり、さらにはスカイダイビングのようなアクティビティも盛んです。海・山・空という大自然を一気に楽しむことができるのは、ハワイのなによりの魅力といえます。
▽アクティビティをもっと知る
さらに、ハワイの大自然をより体感したいという方におすすめなのが多種多様なアクティビティ。カヤックやシュノーケルといった海ならではの体験に、トレッキングやジップラインのように上からハワイを見渡す体験も味わうことができます。
ハワイの雄大な自然をぜひじっくりと味わってくださいね。
2.おいしい食事で心も身体も満たされる
ハワイアングルメという言葉に馴染みがあるほど、ハワイ発祥のグルメは日本にも浸透しています。
今となっては日本でも専門店の多いパンケーキも、もともとはハワイが発祥のスイーツとして知られていました。
日本にすでに上陸しているハワイアングルメは、そのほかにもモーニングにぴったりなアサイーボウルやB級グルメとしても有名なポケ(ポキ)、ガーリックシュリンプなどがあります。ハワイには専門店やレストランが点在しているので、さまざまなお店を巡りながら景色と共に食事を楽しみ、ハワイらしさを味わってくださいね。
また、ディナー向きのレストランも多くあり、ハネムーンや記念日などの大切な日をロマンチックに演出できるのも魅力的です。コストパフォーマンスの高いB級グルメも贅沢なフルコースも、ぜひ堪能して心も身体も満足な時間をお過ごしください。
▽ハワイアングルメをもっと知る
ハワイには日本ではまだあまり知られていないローカルグルメもあります。
日本でいうところの揚げパンに似たおやつの「マラサダ」やハワイ風のラーメンである「サイミン」などはとても味わい深いハワイらしい食べ物です。
以下の記事では、ハワイアングルメをもっと知りたい方のために9種類のハワイアングルメをご紹介しています。ぜひハワイ旅行でのグルメ選びの際には参考にしてくださいね。
3.ついでに買い物もできてハッピーに
料理と景色……ハワイ以外の場所でも楽しむことができるのでは? と思った方に朗報です。
さらにハワイでしかできない体験をするなら、ショッピングは欠かすことができません。
ハワイでは大型のショッピングモールやおしゃれなセレクトショップが充実しているため、ショッピング好きの方にとっては魅力的すぎる要素がたくさん詰まっています。
たとえば「アラモアナ・センター」は340以上の店が軒を連ねるハワイ最大のショッピングセンターです。日本未上陸のブランドがあったり敷地内の広場ではフラショーが開催されていたりと、大型のエンターテインメント施設としての楽しみ方が主流となっています。
▽ショッピングをもっと知る
ハワイではアメリカ本土でも人気のブランドをお得に購入することができます。
もともと日本で購入するよりはずっとお得なほか、アウトレットも豊富なのでショッピングが好きな方にとっては堪らない環境が整っています。
以下の記事では、大型のショッピングセンターを中心にハワイで定番のスポットを集めています。
ぜひお出かけの際には参考にしてくださいね。
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リラックス効果が抜群のハワイのビーチ3選
それでは最後に「ハワイで海に行きたい」という方に向けて、リラックス効果の高い海を3つ厳選してご紹介します。
1.きれいな海を楽しむ「ラニカイ・ビーチ」
ハワイ語で天国を意味する“ラニ”と海を意味する“カイ”という言葉が名前の由来となった「ラニカイ・ビーチ」。その名の通り、天国のようにきらびやかで美しいビーチです。
エメラルドグリーンの色鮮やかな海と真っ白な砂浜のコントラストが魅力的なビーチなので、美しい景色に癒されたいという方には一押しです。
2.波の音に聞き惚れる「カイルア・ビーチ」
ゆったりと波の音を聴きながらたそがれたい……そんな方には「カイルア・ビーチ」がおすすめです。
オアフ島の南東部に位置し、中心地のホノルルから離れていることもあって比較的人の少ない穴場ビーチです。ハワイらしい賑やかさとは打って変わって穏やかな時間が流れているので、ゆったりとした時間を過ごしたいという方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
3.太陽の力を感じる「サンセット・ビーチ」
太陽の光の力を思う存分に体感したい方には「サンセット・ビーチ」がおすすめです。ノースショアにあるビーチで、名前の通りサンセットが美しいと評判に。オアフ島の中でもとくに長いビーチなので、どこまでも続く砂浜のもと、雄大な自然を楽しむことができます。
広々とした海と太陽のエネルギーを感じることで、元気をもらえること間違いなし。
ぜひドライブがてら足を運んでみてくださいね。
まとめ
「海を見たい」という感情からみた心理学的な側面をお届けしました。
ひとつの理由ではなく、さまざまなきっかけが絡み合って私たちは「海を見たい」という感情を呼び起こしているんですね。
もしも「海が見たい」と思ったときは少し心が疲れてしまっているのかもしれません。
ぜひその思いにしたがって、海でリラックスしたひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか?
それでは、快適で素敵な毎日をお過ごしください。
【監修】伊集院 清一[精神科医/臨床心理士/芸術療法士]
東京大学医学部医学科を卒業。現在多摩美術大学教授。専門は芸術療法、表現精神病理学、病跡学。2000年度にエルンスト・クリス賞(アメリカ表現精神病理学会賞本賞)、2003年度に日本芸術療法学会賞本賞を受賞している。著書に『風景構成法―「枠組」のなかの心象』、『空間と表象の精神病理』などがある。