そのどこかユーモラスな名前からか、日本でも知名度が高い「カメハメハ大王」。
ハワイ諸島を初めて統一し、またハワイ王国初代国王の座についた人物であり、ハワイ史とは切っても切れない存在です。
ホノルルにはカメハメハ大王の像があり、記念撮影をするスポットとしても有名ですよね。
……でも、そんなカメハメハ大王像が、実はハワイ諸島各所にあるということを知っていましたか?
今回の記事では、意外と知らないカメハメハ大王についてを大特集。彼の歴史や、像の建てられた場所などをご紹介していきます。
Contents
1.カメハメハ大王の歴史
ハワイ諸島を初めて統一したカメハメハ大王とは、一体どのような人物だったのでしょうか。
ハワイ語で“孤独な人”を意味する「カ・メハメハ」の国家統一の歴史をご紹介します。
ハワイ王国の樹立
カメハメハの国家統一ストーリーは、叔父でありハワイ島の首長、カラニオープウに預けられるところから始まります。
カラニオープウに預けられたカメハメハは、彼のもとで戦士としての訓練を受け、徐々に頭角を現してきました。
やがてカラニオープウが老い、亡くなる際に、息子であるキーワラオーに王位を、そして甥(おい)であるカメハメハには、守護神であるクーカーイリモクの管理を任せます。
カラニオープウの息子キーワラオーは、外様であり身分の低いカメハメハが重要な職務を行うことに不満を持つのです。
そして、キーワラオーは軍勢を集め、カメハメハを滅ぼそうとします。ところが、その年のうちに返り討ちにされていまうのです。
カメハメハはキーワラオーを討ち取ったとはいえ、ハワイ統一にはまだ成りません。
ハワイ島はその後、カウのケオーウアクーアフウラ、ヒロのケアヴェマウヒリなど、他の勢力と合わせて3つに分裂してしまいます。
ケオーウアクーアフウラとケアヴェマウヒリが攻めあっているなか、カメハメハはマウイ島に攻め込みました。
ケオーウアクーアフウラがケアヴェマウヒリを滅ぼしたのち、マウイ島の侵攻で勝利を収めたカメハメハは軍をハワイ島に返します。
ケオーウアクーアフウラとカメハメハがハワイ島で衝突すると思いきや、予期せぬ形でカメハメハが優勢に立ちます。それは、ケオーウアクーアフウラ軍を襲った火山の噴火でした。
ハワイ島キラウエア火山の近郊を進軍していたケオーウアクーアフウラの軍勢は、この火山の噴火を直撃してしまいます。兵士は溶岩に飲み込まれ、戦力の多くを失ってしまうのです。
マウイ島制圧後、オアフ島に攻め込む際には、鉄砲と火薬を用意し、カヌーの先端に大砲をくくりつけて、ワイキキビーチからカハラにいたる海岸に上陸し、オアフ軍を圧倒的な戦力で追い詰めます。
カメハメハは、キャプテンクックのハワイ島上陸にあたり、鉄砲、大砲、火薬の存在を知っていたのです。
ヌウアヌ・パリの崖にてオアフ軍を全滅させ、オアフ島を制圧したことで、ハワイ島からオアフ島までの統一が1795年に成立します。
その後、カウアイ島への侵攻を、嵐や、戦士の間でペストが流行することで諦めざるを得ず、戦いなくして、カウアイ島は1810年、カメハメハの統治するハワイ王国に加入することになります。
2.カメハメハ大王像はハワイに3体存在している
ホノルルにあるカメハメハ大王像が有名ですが、像は、実はハワイ諸島内に3体存在しています。
それぞれの詳細を一つひとつご紹介していきます。
2-1.オアフ島ホノルル
最も有名なのがオアフ島はホノルルのカメハメハ大王像でしょう。
ハワイ州最高裁判所であるアリイオラニ・ハレの前に立ち、金色のヘルメットとマントに身を包んだ、観光スポットの一つです。
このカメハメハ大王像は、1878年に「キャプテン・クックによるハワイ発見100周年」を記念してイタリアで作られたものです。
しかしながら、この像を載せた輸送船がハワイへ向かう途中に沈没。現在建てられているこの像は、再度作られた二代目なのです。
それでは、オリジナルの像は海に沈んだままなのでしょうか?
2-2.ハワイ島カパアウ
実は、オリジナルの像は二代目を作成している最中に奇跡的に発見されたのです。
この像は、カメハメハ大王が育った土地であるハワイ島に設置されることになりました。
現在はノースコハラにある旧コハラ裁判所前に建ち、初代の像である風格を醸し出しています。
2-3.ハワイ島ヒロ
ハワイ島のヒロ湾に面したワイロアパークに建てられているのが最も新しいカメハメハ大王像です。
1997年にカウアイ島のリゾート地に建てられたこのカメハメハ大王像は、高さが4.2mにも及び、3体の中でも最も大きな像となります。
元々はカウアイ島に建てられるはずだったこの像ですが、カウアイ島はカメハメハ大王の制圧に屈しなかった島。設置にあたり島民のクレームが巻き起こったそうです。
そこで移動されたのが、カメハメハ大王と関係が深いハワイ島だったというわけです。
【4体目のカメハメハ大王像】アメリカ合衆国ワシントンDC
ハワイ島ではなく、本国アメリカにもカメハメハ大王像は存在しています。
1959年に、ハワイが米国の領土からハワイ州になったことを記念して作られた4体目(時系列的には3体目)の像。
ワシントンの国会議事堂にある、National Statuary Hall(ナショナル スタチュアリー ホール)と呼ばれる銅像のコレクションルームに置かれています。
カメハメハ大王像の中でも特に重いこの像は、なんと5tを超える重量を誇ります。
ハワイ州出身のオバマ氏が大統領になったことを受け、2008年以降はより目立つ場所に移動され、多くの方の目に触れているそうです。
3.まとめ
カメハメハ大王について理解を深めることができたと思います。
ハワイ諸島、特にオアフ島(ホノルル)やハワイ島を訪れた際には、きっと訪れるチャンスがあるであろうカメハメハ大王像。
彼の歴史を少しでも知っておくと、像を見学する際に違った目線で触れられるかもしれません。
皆さんのハワイ旅行が、より学びの深いものになるよう願っています!
※カメハメハ大王の歴史には諸説あり、本記事でご紹介した内容の正確性については保証しかねることをご了承ください(編集部)